@article{oai:hama-med.repo.nii.ac.jp:00000134, author = {小林, 浩 and KOBAYASHI, Hiroshi and 金山, 尚裕 and KANAYAMA, Naohiro and 早田, 隆 and HAYATA, Takashi and 川島, 吉良 and KAWASHIMA, Yoshiro}, issue = {7}, journal = {日本産科婦人科學會雜誌, Acta Obstetrica et Gynaecologica Japonica}, month = {Jul}, note = {血清CA125値測定が子宮内膜症の手術および保存療法のパラメーターとなり得るかどうか検討するとともに、子宮内膜症以外で血清CA125値が高値を示す疾患を検討し、CA125の産生・分泌に関して考察した。 1. 健常成人女性の血清CA125値は性周期による差を認め、そのmean±S.D.は卵胞期16.3±9.6、黄体期15.7±8.9、月経期36.8±13.2、閉経後6.7±3.9U/mlと月経期に高く閉経後に低値を示した。 2. 婦人科良性疾患のなかでは子宮内膜症が他疾患より平均値、陽性率 (血清CA125値が35U/ml以上) が高値を示し、それぞれ、119.8U/ml、78.8%であった。内性子宮内膜症の平均値および陽性率 (144.8U/ml、82.8%) はともに外性子宮内膜症 (60.3U/ml、63.2%) より高値を示した。 3. 子宮内膜症における術前血清CA125値と摘出組織重量との相関は、内性子宮内膜症の場合はよく相関したが、外性子宮内膜症の場合には相関が認められなかった。 4. 子宮内膜症における組織中CA125濃度は内性子宮内膜症が1,479.3±1,087.1U/g湿重量、外性子宮内膜症が309.7±23.1U/g湿重量であり、前者は後者に比べて高値でかつ分散が大きく、子宮腺筋症の組織採取部位によりCA125濃度が異なった。 5. 手術療法における血清CA125値の変動は術後1週間で83%が、2週間目にはSLE合併の1例を除き正常域に回復した。 6. 保存療法における血清CA125値の変動はボンゾール400mg/日内服を3ヵ月以上持続させることにより15例中13例は正常域に低下した。ほとんどの症例では血清CA125値低下と臨床症状の改善は相関した。また、ボンゾール内服後の組織中CA125濃度は明らかに低下した。 7. 子宮内膜症以外でCA125値が高値を示す疾患は月経期、妊娠初期、子宮外妊娠、産褥、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、腹膜炎であり、月経血およびOHSSと腹膜炎の場合の腹水中のCA125値が非常に高値を示した。すなわち、妊娠時の着床や腹膜炎時の癒着が急激に進行している時にCA125の産生・分泌が促進される可能性がある。 以上より、血清CA125値測定は子宮内膜症の手術および保存療法におけるすぐれたパラメーターになり得ることが証明された。また、CA125の起源としての子宮内膜のみならず腹膜も考慮する必要がある。}, pages = {1054--1060}, title = {子宮内膜症の診断・治療における血清CA125値測定の有用性}, volume = {39}, year = {1987} }